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夕暮れ…。

 人は死んだら何もかも無くなるのかなあ、とぼんやり思う。この世に存在しなくなると無に帰すわけども小学生のころは無に対する言い知れぬ恐怖があった。大人になれば無に対する羨望が芽生え、ゆくゆくは無になるからとストレスにまみれた自分を励ます術として死後の無を捉えるようになった。
 
 昨日放送されたご長寿ビデオレターの画像が某掲示板に貼られていた。「ご長寿 ハナちゃん」でググれば内容は分かるが、若くして交際していた女性が亡くなって、プロポーズできなかったことを後悔し、七十才を過ぎて尚、独身を貫くおじさんの愛の叫びであった。
 私はおじさんがカッコいいと思う。五十年も一途に想う人、想われる人という時点でもうこれは幸せな二人なのではないかと思う。
 昔、藤子不二雄の「ノスタル爺」という短編漫画があったのを思い出す。主人公が戦争から帰ったら婚約者が病気で亡くなっており、墓参りを終えてある茂みを走るとタイムスリップして自分と婚約者が幼少の時代に大人の姿のまま戻ってしまう。大人の姿のまま故郷にて幼い後の婚約者を抱いたら不審者と見なされて、土蔵に閉じ込められた生活をすることになる。
そして婚約者が死ぬまで見守るように土蔵で満足げに暮らし続ける。
という話なのだが小学生のころ読んだら単なるオカルトチックな話にしか思えないのだが、大人になって読み返すと愛のある話しだと分かる。

人を想うことってそれくらい一途なことなのは分かる。