コラム「週末の空箱」

 一週間働き終えて、休日前夜。プレゼントの箱を開けるのを一週間我慢して、そうしてラッピングをほどいてみると中身は何もない、空っぽ。何もない週末はなんだかそんな感じだ。

 今日は高野悦子さんの命日。多大な影響を受けた人だ。

私は臆病者だ。与えられた環境の中で生きていく人間である。私は自分に自信をもてない人間である。臆病者であることが、いいのかどうかわからない。ただ臆病であることを意識すると、自分が卑小でつまらない人間に思えてくるのだ。そういうときはたまらなくなる。

二十歳の原点」には読んでいてたまらなくなる文章が多数ある。この本、もう十年は読んでいる。三十歳になって読んでいても二十歳の高野さんにはまるで敵わない。

  

 職場。ストックホルム症候群を発症している私は、今年も無遅刻・無欠席(無意志・無感動)で侘しく会社勤めをしている。すべての悩みは対人関係であるとアドラーだかが云っていた気がするが、それはその通りで会社勤めというのは人間関係が複雑に絡み合ってイカ墨スパゲティ大盛りをむさぼったような腹黒い毎日を過ごさざるを得ないのである。

 私は直属の上司と事務員から双方が嫌いであるという相談を受けている。「あんな人間(上司or事務員)は初めてだ」とお互いに陰口を言うのである。先述した通り私は無意志・無感動であるので、どちらの人間も好きでも嫌いでもない。よって抜け殻に魂を込められたように「ああ、そうですね。まったくあのひと(上司or事務員)はどうしようもないですね。ああそういえばこんなこともありましたよ…」と都合よく傍受したデータからエピソードを添えて返答しているのである。そうしてややガス抜きしたのか満足した二人はしっかりと仕事に戻るのである。私のような役割を『抜け殻相談員』という(勝手に名付けた)。抜け殻相談員は誰の敵でもないが、誰の味方でもない。

 性欲はある。三年くらい女体に触れていないことに気付く。背中のニキビがなければすぐにでも風俗を利用したいのだが、治らない。過去の風俗遍歴を考察すると、手淫よりも気持ちよい体験を一度もしていない。

 前の彼女と別れて五年三か月が過ぎた。さすがに厭な予感がしてきた。